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五 様式編年によるグループわけ
編年によって古い順に第Iグループから第Vグループにわける。
第?グループ(十七世紀末-十八世紀初ころ)
対象家屋一棟
このグループは一棟のみで、この家は改造が多く正確な復原はできなかったが、つぎの点で第?グループと区別される。
1 部屋境に建具がほとんどはいらない。2 仕上げがよきである。3 部材の断面、形が古く感じる。4 土座の床。5 構造柱が掘立であったらしい。
以上の特徴をもつが、平面・構造の原理、基本は第Iグループ以下のものと同じである。建築年代は明らかでないが、他の地域のものを参考に十七世紀末-十八世紀初ころとしておく。
第?グループ(十八世紀中-十八世紀末)
対象家屋三棟
特色は、1 上屋柱の密度が高い。2 側柱の省略がまったくない。3 でいり上部、いどこ寄りの構造はA型が多い。4 座敷は大きな一室が多く、床・棚はない。5 開口部が少なく、とくに裏側にはまったくない。6 雨戸がない。7 仕上げは全部ちょうなである。
建築年代の確証はないが、白馬村民家の完成した形を示していると同時に地方的特色がよくあらわれているので、他との比較から十八世紀中-十八世紀末とした。
第?グループ(十九世紀初-天保)
対象家屋四棟
特色は、1 構造柱の密度は中ぐらいのものが多い。2 側柱の省略が始まって一間ごとに立たなくなる。3 でいり上部、いどこ寄りの構造はB型が多い。4 上屋の高さは低い。5 裏側に開口部がでてくる。6 雨戸のある家がでてくる。7 仕上げはちょうな・かんな併用
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